1型糖尿病患者・家族を支援する認定NPO法人日本IDDMネットワークは、北里大学・中村和市特任教授の研究「ダニ虫体抗原による1型糖尿病の根治治療」に100万円の研究資金を提供した。このように患者・家族が中心になって研究資金の循環を創りだす取り組みは、日本IDDMネットワークが順天堂大学と契約を交わしたものが国内初の試みであり、徳島大学と名古屋大学に続いて今回が4例目となる。

 1型糖尿病は原因不明で突然小児期~成人期まで幅広い年代で発症し、現在の医学水準では発症すると生涯に渡って毎日4~5回の注射又はポンプによるインスリン補充がないと数日で死に至る難病とされている。糖尿病患者の大半を占める2型糖尿病に対し、国内での患者数は約10~14万人、年間発症率は10万人当たり1.5~2.5人と希少な病であるため、患者と家族の精神的、経済的負担は大きい。

 北里大学獣医学部の中村和市特任教授が研究課題とする「ダニ虫体抗原による1型糖尿病の根治治療」では、1型糖尿病の病因である自己免疫(免疫反応の暴走)のメカニズムに着目。1型糖尿病を自然発症するモデル動物であるNOD/ShiJclマウスにダニ虫体からの抽出物(KVT-1)を投与すると、1型糖尿病における特徴的な膵島へのリンパ球浸潤(膵島炎)が抑制されることを見出した。今回の研究では、ダニ虫体からの抽出物のうち薬効を示す部分を絞りこみ、1型糖尿病の治療薬実現に挑戦する。

 日本IDDMネットワークは、1型糖尿病を治らない病気から「治る」病気にし、最終的には根絶(=治療+根絶+予防)を目指して2005年に1型糖尿病研究基金を設立。直接の寄付や佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税など日本全国からの支援により、これまで84件、4億1750万円の研究費助成を行っている。

参考:【認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク】北里大学へ100万円の研究助成を行いました。

大学ジャーナルオンライン編集部

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