国立情報学研究所は、名古屋大学、順天堂大学、日本医学放射線学会などと共同で、新型コロナウイルス肺炎(COVID-19肺炎)のCT画像をAI解析するためのプラットフォームを開発した。COVID-19検査の精度向上が期待される。

 COVID-19の検査ではRT-PCRが多く用いられるが、その感度(真陽性率)は42%から71%。一方、CT画像によるCOVID-19検査の感度は97%と高い。日本は人口あたりのCT撮影装置保有数が高いため、CT画像の活用が期待できる。CT画像を用いた診断の支援と判断の定量化のために、コンピューターにより肺の状態を客観的に判断する評価手法の確立が課題だ。

 今回のAI解析用プラットフォームの開発では、国立情報学研究所の医療ビッグデータクラウド基盤に収集・集積した1億6千万枚を超えるCT画像から肺炎CT画像を選別する機械学習手法を開発。その手法によりリスト化された肺炎CT画像に、実際のPCR検査結果と放射線医によるCOVID-19肺炎典型度の判定結果を付与してデータベース化した。このようにAI向け学習データセットを整備し、COVID-19肺炎研究のためのAI解析用プラットフォームとして開発した。

 名古屋大学の研究チームはCOVID-19肺炎症例CT画像データベースに独自にAIを適用して、高精度なCOVID-19肺炎典型度判定の手法を開発した。これにより83.3%の典型度識別性能を達成。また、炎症などの影響によりCT画像上で肺が識別困難な場合に、AIが的確に肺の形状を推定する手法も開発した。

 研究チームでは、COVID-19肺炎研究のためのAI解析用プラットフォームをさらに整備し、他の研究チームと連携したAIアルゴリズムの改良によりAI選別や判定の精度向上を目指すとしている。さらに今後のCOVID-19以外の未知の感染症などの国家的な緊急課題への対処にも有効という。

参考:【国立情報学研究所】新型コロナウイルス肺炎CT画像をAI解析するためのプラットフォームを開発〜全国の病院から集めたCT画像をAIで選別し高品質なAI研究用データセットとして整備〜

大学ジャーナルオンライン編集部

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