中部大学応用生物学部環境生物科学科、金政真准教授(応用微生物学)の研究室が、芙蓉(フヨウ)の花で作った日本酒の試験醸造を実施。2016年4月8日に発表した。今回は学内で頒布し、来年度以降「中部大学のお酒」の名前で販売を目指すという。

 中部大学では基礎学術研究とは別に、大学内研究プロジェクトとして大学ブランド向上に役立つ研究を推進している。今回の試験醸造は、優れた酒質を持つお酒を造ろうという「中部大学ワイン・日本酒プロジェクト」の一環で、あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター(名古屋市西区)の協力のもと行われた。

 今回使用した酵母は、芙蓉の花から醸造特性に優れた天然酵母を分離したもの。金政准教授の研究室が2013年から開発を進め、原料米に「五百万石」を使用し、精米歩合70%、アルコール度数17.6%の純米酒が完成した。開発から完成まで、応用生物学部の学生5名が参加した。

 近年技術力の向上により日本酒の酒質は著しく上がっているが、鑑評会等での評価を求めるがゆえに画一化が進み、若者の日本酒離れも改善されていない。一方世界に目を向けてみると、和食文化とともに日本酒は確実に普及し、さまざまな嗜好に応じた多様な酒質が求められる時代となっている。金政研究室ではそのような求めに応える酵母の開発を追求している。

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