関西大学文学部考古学研究室と奈良県明日香村教育委員会は明日香村平田の中尾山古墳で発掘調査を行い、古墳の大きさを正確に把握するとともに、八角形の墳丘内に横口式石槨を備えることを確認し、精巧な加工技術と朱塗りが施された石槨内の構造を明らかにした。関西大学考古学研究室は天皇陵の可能性が高まったとみている。

 関西大学によると、調査は中尾山古墳の構造、規模など全貌を明らかにするために、9月から進めてきた。その結果、中央部の墳丘は高さが5メートル以上ある3段構造で、その外側に3重の石敷きが見つかった。

 内部は火葬した被葬者の遺骨を入れる石室が10個の巨石で構築されていた。石の表面は磨かれており、同時代の他の古墳ではこのような石室が発見されていない。約0.9メートル四方の石室内はすべて水銀朱が塗られていた。

 使用された石材の総重量は約560トン。関西大学文学部の米田文孝教授は約2万人の労働者が動員されたとみている。この数は極彩色の壁画で有名な近くの高松塚古墳の4倍に相当する。石室内の優れた加工度や天皇陵特有の八角墳であることから、被葬者が天皇かそれに準じた人物である可能性が高いとみられる。

 中尾山古墳は7世紀末から8世紀初頭に築造された終末期古墳。1974年の環境調査で八角形の墳丘内に横口式石槨を備えることが推計されていた。

参考:【関西大学】大王墓特有の八角墳と確定 石室内部に精巧な加工と朱塗り 奈良・中尾山古墳 文武天皇陵の可能性高まる新発見~関大考古学研究室と明日香村教育委員会による古墳発掘調査~(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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