昭和女子大学は、同一敷地内にある米国テンプル大学の日本校、テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)との間で初となる合同授業「コミュニティーアート」を2020年9月から12月まで開講した。
2019年秋にTUJが昭和女子大学の敷地内に移転。日米のキャンパスを同一敷地内に置くのは日本の私立大学では初めての試みで、大きな総合米国大学と日本の大学の間にスーパーグローバルキャンパスが実現した。2020年はコロナ禍のために交流しにくい環境ながら、両大学が併設されている10号館を拠点に、合同授業「コミュニティーアート」を実施し、本格的な学びの交流の第一歩を踏み出した。
「コミュニティーアート」は、アートを通じてコミュニティーの課題解決にむけ、新たな価値の創造を目指す授業。昭和女子大学歴史文化学科の教員とTUJのアート学担当教員らが講義を担当し、学生は昭和女子大学歴史文化学科、国際学科、英語コミュニケーション学科から計20人、TUJからアート専攻などの13人が履修した。
授業では日米混合の4グループに分かれ、プロジェクト型学修によって、理論を学び、ワークショップ等を通じて多角的に「コミュニティーアート」について学んだ。4グループは、世田谷美術館で子どもたちがアートを身近に感じるための企画立案「世田谷美術館へのワークショップ提案」、ストリートペインターと交渉し、アートマネジメントを実践する「チョークアート制作とアートマネジメント」、昭和女子大学とTUJの交流を継続する具体策を検討する「SWU&TUJプロジェクトの提案」、各プロジェクトの取り組みを時系列で記録し、学びを将来に蓄積していく「アートドキュメンテーション 授業の軌跡」、以上4つのプロジェクトに取り組んだ。
担当した昭和女子大学歴史文化学科・木下亮教授は「単位についての考え方など日米で文化が異なる部分もあったが、日本の大学もアメリカの大学も、教員は学生を成長させるためにどうしたらいいかと悩むのは一緒。さまざまな課題をひとつひとつ一緒にクリアしながら授業を進めた。語学学習とは異なる、クリエイティブで刺激に富んだ交流になった。一緒に課題解決を進める中で仲を深められたのが印象的。問題意識をもった提案ができた」と合同授業の手応えを語った。