獨協大学法学部の鈴木淳一教授のゼミはWHO(世界保健機関)の世界保健総会を仮想した新型コロナウイルスのパンデミックに対応するためのシミュレーション学習を、オンライン会議システムを活用して行った。

 獨協大学によると、シミュレーションでは鈴木ゼミの学生が各国から派遣された専門家に扮し、WHOが制定した感染症対応の枠組みである国際保健規則の改正案について意見交換した。

 会議だけでは他人の行動を把握できないため、参加国ごとにバーチャル大使館を設置し、誰と誰が交渉しているのかを可視化した。オンライン会議だけでは参加者間の本音や細やかな気持ちでの意思表示が困難として、匿名の投票システムを採用、国際保健規則を強化する改正案を賛成多数で採択した。

 オンライン会議では、会議文書や決議案をクラウド上で共有するとともに、出席者や投票行動の管理をネットワーク上でリアルタイムに行うなど、進行に工夫を凝らしている。

 鈴木教授は「現実の世界では新型コロナのパンデミックを防ぐことができなかったが、学生たちは今回のシミュレーションを通じて遠隔授業の利点と切磋琢磨しながら国際法について学べることを知った。会議の成果は論文などにまとめ、公表したい」とするコメントを発表した。

参考:【獨協大学】法学部鈴木淳一ゼミがWHO世界保健総会のシミュレーションを開催しました

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