今春卒業予定の高校生の進路選択に新型コロナウイルスの感染拡大が大きな影響を及ぼし、全国2割以上の高校で都道府県外への進学を希望する生徒が減っていることが、進路情報提供のさんぽうの調査で明らかになった。

 調査は2020年12月の緊急事態宣言再発令前に全国の高校進路指導部を対象に実施し、490校から得た回答を集計した。
それによると、大学進学では68.8%の高校が「変化なし」「無回答」を選択していたが、31.2%が「変化あり」と答えた。受験方法は30.2%の高校が「総合型選抜、学校推薦型選抜とも増えた」とし、コロナ禍と大学入学共通テストスタートの不安などから、早めに入学先を決めたい受験生の意向が浮かび上がっている。

 都道府県外の大学への進学については、22.4%の高校が「減った」と答え、「増えた」と回答した高校を上回った。2020年4月の第1回緊急事態宣言で都道府県境を越えた移動の自粛が呼びかけられたことも影響しているとみられる。
さらに、コロナ禍での家計困窮などもあり、志望校の変更が増加傾向にあり、結果として専門学校進学希望者の増加につながっている。

 高校新卒者の求人数は厚生労働省が公表した2020年10月末現在で前年同期比20.7%減だったが、それを反映して各高校への求人数も27.8%の高校で減少し、増加した4.9%を大きく上回っている。

参考:【PR TIMES】「Withコロナ時代の進路指導と高校教育に関するアンケート調査」報告①

大学ジャーナルオンライン編集部

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