近畿大学理工学部情報学科准教授の角田 雅照らの研究グループは、ソフトウエア技術者の能力と性別との関係について調査し、技術者がプログラムを理解する速度には性別による差がないことを明らかにした。

 近年、IT人材の不足が指摘されている中で、科学技術が男性に向いているという先入観を排除し、女子学生のIT技術者につながる進路の選択肢を増やすことが重要である。そこで今回、近畿大学では定量的な証拠を示し、先入観の打破を目的として性別に着目した分析が行われた。

 ソフトウエアの運用コストの40~67%は保守であり、保守時にはプログラム理解が必要となる。従来研究において性別により記憶能力に違いがあると指摘されていることから、理解速度が記憶能力に影響されやすいプログラムを読む場合、性別により理解速度に差があるかを確かめた。
実験には同一大学・学科の情報科学を専攻する学部生16人(男性8人、女性8人)が被験者として参加。記憶能力の理解速度への影響度が異なる複数のプログラムを用意し、男女の被験者がプログラムを理解するために掛かった時間を計測した。

 研究の結果、プログラミングの経験と教育水準が同等であるならば、対象プログラムの記憶力の必要性に関わらず、性別によるコード理解速度のアドバンテージはほとんどないことが明らかになった。IT人材の不足が問題となる中、今回の研究成果によって性別に関する先入観を打破し、女子学生がIT技術者につながる進路を選択する可能性が高まることが期待される。

参考:【近畿大学】ソフトウエア技術者の能力には性別差がないことが明らかに 進路選択の妨げとなる先入観の打破に期待

大学ジャーナルオンライン編集部

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