東北大学大学院の朝倉京子教授らの研究グループは、看護職に対する調査で、約42%が離職意向を示したことを明らかにした。新型コロナウイルス感染症流行下で、病院勤務看護職の精神健康状態の悪化が示された。

 昨今の新型コロナウイルス感染症流行下で、医療従事者の精神健康(メンタルヘルス)の維持が重要な問題となっている。研究グループは、2020年12月上旬の感染者数のデータをもとに、人口10万人あたりの感染者数が相対的に多い4都道府県、感染者数が相対的に少ない4都道府県を選定し、無作為に病院を抽出。そこから看護職10,000名を調査対象とし、2021年1月、オンライン調査を実施した。離職意向の測定には自作の質問2項目を用いた。2021年1月27日時点で、2,273名が回答した(回収率22.7%)。

 その結果、「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、看護職の仕事を辞めたいと思ったことがありましたか?」の質問に、「たびたびあった」が355名(15.6%)、「ときどきあった」が620名(27.3%)。合計975名(42.9%)が、看護職の仕事を辞めたいと思う経験をしていた。

 また、「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、看護職の仕事を続ける自信がなくなったことがありましたか?」の質問に、「たびたびあった」が280名(12.3%)、「ときどきあった」が681名(30.0%)。合計961名(42.3%)が、看護職の仕事を続ける自信を失う経験をしていた。

 以上により、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響が、看護職の精神健康にネガティブな影響を与え、離職を促す可能性が示された。今回の調査結果が、感染症流行拡大時の医療体制の維持に関する政策決定や勤務病院等での対策に寄与することが期待される。

参考:【東北大学】新型コロナウイルス感染症流行下における看護職の精神健康ケアの必要性増 看護職の約4割が新型コロナによる離職意向を示す(PDF)

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