新潟大学大学院医歯学総合研究科の藤原和哉特任准教授、曽根博仁教授らの研究グループは、命にかかわる糖尿病の診療場面で非専門の一般医を超えた専門医レベルの方針決定ができる人工知能(AI)システムを開発した。専門医が過去に行った治療の大規模データを機械学習させて実現したもの。

 新潟大学によると、研究グループは糖尿病データマネジメント研究会が持つ診療記録ビッグデータをAIに機械学習させ、2009年から2015年に糖尿病専門医が薬剤を選択した20歳以上の4,860人の糖尿病初期治療にインスリン療法が必要かどうかを判断させた。

 その結果、一般医の正答率が43%だったのに対し、AIは86%と2倍近い正答を出した。研究グループは初期治療にインスリンが必要かどうか判断で専門医に近いレベルの判断が可能とみており、一般医が単独で方針決定せざるを得ない際のサポート役としてAIが役立つ可能性を示したとしている。

 糖尿病をはじめとする生活習慣病が増加の一途をたどり、専門医がすべての患者を診療するのが難しくなっている。特に糖尿病は最初の薬物療法で内服薬を用いることが多いが、状態によっては初診時型インスリン注射が必要。判断を誤ると昏睡など命にかかわる重大な結果を招くことから、一般医にとって難しい判断を迫られることがある。

論文情報:【JMIR Medical Informatics】Machine Learning Approach to Decision Making for Insulin Initiation in Japanese Patients With Type 2 Diabetes (JDDM 58): Model Development and Validation Study

新潟大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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