北海道内の小規模高校に大学受験に向けて遠隔授業を配信する北海道高等学校遠隔授業配信センターの開設式が、札幌市北区屯田(有朋高等学校内)の現地で行われた。新学期から大学受験のニーズに合致した授業の配信を始める。

 北海道高等学校遠隔授業配信センター(愛称:T-base)によると、開設式は小玉俊宏北海道教育長が「この遠隔授業を活用し、地元の高校で生徒たちが大学受験などの夢に向かってほしい」とあいさつしたあと、センターの正面で関係者がプレートを除幕した。

 遠隔授業の配信を受ける夕張高校、長万部高校など道内27校。実技を伴う「保健体育」や「家庭」、「情報」は当面、対象外とし、高校の各学科に共通する科目の授業を配信する。受信校は習熟度などでグループを分け、少人数で授業を受ける。

 北海道は政令指定都市の札幌市、中核市の旭川市、函館市という都市部に人口が集中し、地方部の人口減少が著しい。このため、地方では高校が小規模校となり、教員数に限界があることなどから、大学受験など生徒1人ひとりのニーズに合った授業をすることが難しく、故郷を離れて都市部の高校へ進む生徒が後を絶たない。

 こうした現状を打開して生徒たちが地元の高校でそれぞれの夢をかなえられるようにしようと、北海道教育委員会が遠隔授業を計画、配信センターを開設することにした。

参考:北海道高等学校遠隔授業配信センター

大学ジャーナルオンライン編集部

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