東京学芸大学と立正大学、医療、介護、保育サービスのニチイ学館は、日本初となる保育園向けSTEAM教育プログラムを共同開発した。全国展開に先駆け、6月から千葉県柏市と横浜市のニチイキッズのモデル保育園で5歳児のSTEAM教育を始めた。
ニチイ学館によると、STEAM教育は「Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)」の頭文字を取った造語で、5つの分野の要素を取り込んだ学びや体験を通じてクリエイティブな発想で問題解決する手段を身に着ける。
社会がICT(情報通信技術)、AI(人工知能)の進化で大きく変わろうとする中、子どもたちが自ら考えや思いを持ち、何かをやってみようとする力を育むことが、新たな変化を生み出す人材の育成に欠かせないとされるようになってきた。文部科学省はその能力を育てるのがSTEAM教育だとし、推奨している。
東京学芸大学はSTEAM教育、立正大学は幼児教育の観点から研究に参加し、プログラム案の作成を行う。
プログラムでは、歌を単に歌うだけでなく、歌詞の意味や情景を子どもたち自身が調べたうえで、それを通じて得た自分なりの考えを誰かのためにという視点で考え、表現させるなど、幼児の段階から能動的に学習し、経験を重ねることを重視している。
ニチイ学館は6月より千葉県柏市と神奈川県横浜市のモデル園(5歳児クラス)にて「歌」や「劇」に係るプログラムを実施。7月以降、プログラムの拡充とブラッシュアップを行い、10月の全国導入(5歳児クラス)につなげる。さらに2023年をめどに3~4歳児クラス向け、2歳児クラス向けのプログラムを開発し、ニチイキッズに通う全園児に提供できる体制づくりを目指す。
参考:【ニチイ学館】~東京学芸大学、立正大学との産学連携による共同研究~日本初!保育園向け「STEAM 教育プログラム」を開発 全国展開に先駆け、モデル園2拠点で STEAM 教育を開始!(PDF)