文部科学省は「卓越研究員事業」により、平成28年度の卓越研究員83名を発表した。平成28年10月末までに安定かつ自立した研究環境を得たとして選ばれた。この事業は、若手研究者に新たな研究領域に挑戦するための環境と研究者としての経験を提示することを目的として、平成28年度より開始したものだ。

 本事業では文部科学省が研究機関と若手研究員との橋渡しを行う。研究機関から若手研究者のポストを募集し、一方で若手の卓越研究員の公募を行う。厳正な審査により、卓越研究員候補者を決定する。その後、卓越研究員一人当たりに対し、 研究費は各年600万円を上限として2年間、研究環境整備費は1~2年度目は各年300万円、3~5年度目は各年200万を上限として支援する。

 今回の公募では、849名の研究者が申請した。有識者で構成される卓越研究員選考委員会の審査を経て、176名を卓越研究員候補者として決定した。その後、卓越研究員候補者とポストを提示した研究機関の間で調整が行われ、各研究機関において新たに安定かつ自立した研究環境を得たことを文部科学省に報告。報告された卓越研究員候補者83名が、平成28年度の卓越研究員として決まった。今回ポストを得られなかった卓越研究員候補者は、平成29年度分として審査を経ずに、ポストを提示した研究機関と調整ができるという。

 今回、卓越研究員の受け入れが決定した研究機関は10月末現在で、国立大学が34校、大学院が2校、公立大学が1校、私立大学が1校、研究機関が5機関、一般企業が4社で計47機関。受入数上位は産業技術総合研究所8名、東京大学6名、京都大学5名、山形大学4名となっている。

参考:【文部科学省】平成28年度科学技術人材育成費補助事業「卓越研究員事業」における卓越研究員の決定(平成28年10月末現在)について

大学ジャーナルオンライン編集部

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