株式会社ディスコでは、全国の大学の就職課・キャリアセンターを対象に、2022年卒者の就職活動状況などを調査した。回答学校数482校。

 調査によると、2022年卒者(現4年生)の内定状況は、前年度と比べて「高まっている」と回答した大学は2割強(26.6%)。「低下している」(11.6%)を上回った。前年はコロナ禍の影響で急速に低下したが、今年は企業の採用意欲に回復基調が見られ、内定状況の改善を実感している大学も少なくない。

 2022年卒者(現4年生)が3年次前期(2020年春期)の頃に新型コロナ感染が急速に拡大。例年行われる就職ガイダンスは多くの大学で中止や延期となった。そのことが、その後の就職活動にどの程度影響しているか聞くと、「影響がある」と回答した大学は半数に上る(計 50.7%)。ガイダンスの中止・延期が、就職活動への取り組みの遅れにつながり、結果的に内定状況に影響したと感じる大学が多いようだ。

 2022年卒者の求人状況に関し、前年度からの変化を聞くと、求人数は「減っている」(36.3%)が「増えている」(11.2%)を大きく上回った。企業の来訪数は、オンラインを含めて回答してもらったが、約6割の大学が「減っている」と回答した(57.1%)。大都市圏を中心に大学への入構制限などもあり、長期化するコロナ禍において、大学との接点のもち方に難しさを感じている企業も一定数ありそうだ。

 就職・キャリア支援担当者に採用市場をどのように見ているか聞くと、学生に優位な「売り手市場」との見方が2割強(計24.0%)に対し、「売り手市場だと思わない」は3割弱(計28.0%)で、「売り手市場ではない」との見方がやや上回る。前年は、「売り手市場ではない」が4割を超えていたが(計45.0%)、今年は大幅に減少した。ただし、コロナ前は「売り手市場」が9割近かったのと比較すると、採用環境は依然として厳しい状況と捉えている大学が多いことがわかる。

 学生からの相談について、前年度より増えたものを聞くと、最も多いのは「面接の相談」(61.3%)。従来の面接対策に加え、オンライン面接に関する相談が増加した大学が多かったようだ。ここに「インターンシップの相談」(57.0%)、「エントリーシートの相談」(54.0%)が続く。また、「内定辞退に関する相談」は4校に1校が増えたと回答(25.8%)。内定状況は依然として厳しい一方で、複数社から内定を得て選択に困る学生もおり、二極化が進行したことがうかがえる。

参考:【株式会社ディスコ】キャリアセンターから見た22卒就活戦線(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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