2024年11月12日、埼玉工業大学、埼玉県深谷市、株式会社INPEX JAPANは、深谷市内にて開催された「ふるさと ふかや・渋沢学」フォーラムにおいて、リニューアブルディーゼル(RD)を燃料とした自動運転バスの体験試乗会を実施した。RDを使用した自動運転バスの走行は日本初の試み。
リニューアブルディーゼル(Renewable Diesel)は、再生可能資源由来のディーゼル燃料。食品競合の無い廃食油や動物油等を原料として製造され、ライフサイクルアセスメントベースでの温室効果ガス排出量を石油由来軽油比約90パーセント削減できる。主に輸送用トラック・バス等で使用され、ドロップイン燃料として既存の車両・給油関連施設をそのままに利用開始することが可能であり、既に欧米を中心に広く流通実績がある。
今回の体験試乗会では、地元深谷市内の小学生を中心に約200名がこのRD燃料による自動運転バスに試乗し、深谷観光バス株式会社に運航協力を得て、深谷市民文化会館周辺の公道を利用した約1.7キロメートルの特設コースを走った。小学生は初めて乗る自動運転をとても興味深く楽しそうに体験した。
RDは脱炭素施策に係る導入コストを最小限に抑え、GHG排出量削減にも大きく貢献できる次世代リニューアブル燃料として、今後各分野でのさらなる利用拡大が期待されている。埼玉工業大学では、今回の試みが、将来の深谷市を担う子供たちに対し、普段直接触れる事が難しいカーボンニュートラルと自動運転技術について、単なる机上ではなく実体験を通した学びの助けになればと考えている。
体験試乗会を実施した「ふるさと ふかや・渋沢学」フォーラムは、郷土の偉人・渋沢栄一翁の「立志と忠恕」の精神を学んだ子供たちの発表や展示等を行うことで各学校等での現在の取組を共有し、「ふるさと ふかや・渋沢学」の一層の充実を図るのが目的。2024年4月に深谷市、埼玉ガスおよびINPEXが地域活性化に関する包括連携協定を結び、その活動の一環としてこの取組みが実現した。今後も協働して地方創生のさらなる推進を図り、持続可能なまちづくりを目指していく。
なお今回使用したRDは、INPEXグループと協業体制を構築する伊藤忠商事株式会社が、世界最大のリニューアブル燃料メーカーであるNeste OYJグループ(本社:フィンランド)から調達し、伊藤忠エネクス株式会社がINPEX JAPANに供給した。