新潟県新発田(しばた)市にキャンパスを置く敬和学園大学は2026年4月、人文学部に国際教養学科(仮称)の設置を計画している。リベラルアーツ教育の原点に立ち返り、人文学部に設置された国際文化、英語文化コミュニケーション、共生社会の3学科を統合して新学科とする。
敬和学園大学の母体となる学校法人敬和学園は、新潟県下の日本基督教団所属の教会をはじめ内外にわたる教会の支援を受け、1967年に創立。敬和学園大学は、キリスト教を教育の根幹に据えて1991年に開学。開学以来リベラルアーツ(教養)教育を貫いている。
新設を計画している国際教養学科は、「実践するリベラルアーツ」をキーワードに、特長のある6つの専門コース(情報メディア、キャリア英語、地域経営、国際社会、歴史探究、多文化・思想)を用意し、これらのコースの中から自分の関心に合った主専攻を3年次に選択する。さらに副専攻を組み合わせることで、異なる分野を融合させて多角的に考える力を養う。
新潟県の4年制大学は22校あるが、国際教養学科を設置するのは同大学が県内初となる。金子愛子学長は「既存社会の流れや枠組みにとらわれず、新しい発想で新しい社会を作れる人材を国際教養学科で育てたい」とコメントしている。
敬和学園大学のように、専攻分野を入学時ではなく3年次などに決める「レイトスペシャライゼーション」を採用する大学が増えている。早期に幅広い学問分野に触れることができ、文理融合的な学びも可能になると同時に、自分の適性がわからない学生にとっては、入学後のミスマッチを防ぐことができるというメリットもある。分野横断的な課題が多くなっている社会においては有益に働くと考えられているようだ。