名古屋工業大学 電気・機械工学類の若土弘樹准教授、安在大祐准教授らの研究グループは、株式会社GOCCO.と共同で、室内の電波環境を改善する革新的なインテリアパネル「メタッパネ」を開発した。この製品は、メタサーフェス技術を活用し、電源不要で電波強度を効果的に向上させることができる。
「メタッパネ」は、1mm厚の薄型パネルで、GOCCO.が独自に開発しているAgインクと印刷技術を用いたメタサーフェスを内蔵している。これにより、精密な製造工程を経ることなく、高い品質の電波強化が実現できる。
開発にあたり、名古屋工業大学・若土研究室、安在研究室が家庭用Wifiを想定して5GHz Modelの測定を行ったところ、30°の設計角度で電波を吸収せずに反射する金属板に比べて約6dBm(4倍)の増幅が観測された。また、第5世代移動通信システム(5G)で利用されている28GHz帯でも同様の測定を行うと、θi=0°の時30°の設計角度で、θi=10°の時40°の設計角度で電波を吸収せずに反射する金属板に比べて約10dB(10倍)の増幅が観測された。これらの結果と反射角度を任意に設計できるメタサーフェスの特性により、複数の反射角度のメタッパネを組み合わせる事で、任意の場所に強電波ゾーンを作り出す事も可能となる。
GOCCO.では、一般的な家庭用WIFIに対応した5GHzモデルと、5Gに対応した28GHzモデルの2種を展開し、さらに次世代帯域への適用に向けて開発を進める。 建物内で電波が届き難い場所の補佐や、無線大容量通信を必要とする場所での電波設計を用途に応じてパネルを貼るという手軽さで実現することが可能になり得る。また、表面は自由にビジュアル/グラフィックをインストール可能で、美しさと機能性を兼ね備えたアートパネルとしても活用できる。「メタッパネ」のメタサーフェス技術は、建築材料としても展開が可能で、材料の卸売により、機能性建材の市場にも貢献できると期待されている。
名古屋工業大学の若土研究室では、電磁材料メタサーフェスを用いることで、電波の流れを人工的に制御するための研究を進めている。特に電子回路部品を組み込むことで、自然界に存在する材料からは得られない応答を作り出している。
安在研究室では、電波環境のモデリングに基づいた無線通信技術や無線センシングのための研究を進めている。特に生体電磁環境に基づいた信頼性の高い無線通信技術や位置計測技術の研究に取り組んでいる。
参考:【名古屋工業大学】メタサーフェス内蔵インテリアパネル「メタッパネ」を発表 ~壁に掛けるだけで、特定方向へWI-FI電波強度がUP!~