2025年4月22日、麻布大学獣医学部と旭化成ホームズは、都市部でのペット共生住宅やコミュニティーづくりを研究する寄附講座「ペットと人の共生社会for LONGLIFE」を設置した。開設期間は2025年4月から2028年3月末までの3年間。

 「ペットと人の共生社会for LONGLIFE」では、麻布大学の動物行動学や獣医学的知見と旭化成ホームズが長年蓄積してきた住宅設計やペット共生のノウハウを融合させることで、都市部における人と動物の共生社会のモデルを地域コミュニティと個人の住環境の両面から構築する。

 具体的にはペットと人間の間に築かれる社会的関係の解明で、ペットと人間の間にどのような絆や相互作用が生まれるのか、そのメカニズムを科学的に明らかにし、ペットが人間の社会的ネットワークや地域コミュニティに与える影響についても分析する。

 また、ペットと暮らすことがもたらす健康的、心理的、社会的な利益を明らかにし、住環境やペットの迎え入れ、外出、高齢化といった具体的な障壁を抽出し、実効性のある解決策を模索する。例えば、ペットと快適に暮らせる住環境の設計や、ペットの迎え入れ・引き取り支援サービスの提供、ペットと一緒に外出する際のインフラやサービスの改善、高齢者や高齢ペットへのケア体制の強化などが挙げられる。

 旭化成ホームズは1998年にロングライフ住宅宣言を掲げ、長寿命住宅の開発とともに、ペット共生社会の実現に向けて積極的に取り組んできた。2000年には「ペットと共に生きる住まい」をテーマにした共生戸建住宅を発表し、2006年以降はペット共生型賃貸住宅「+わん+にゃん」を展開している。一方、麻布大学は動物科学分野の研究を通じて、人と動物のより良い関係づくりを追求してきた。この寄附講座を通じて、両者が推進してきた「ペット領域の共創コミュニティ」による地域貢献をより一層推進する。

参考:【麻布大学】旭化成ホームズと寄附講座を設置「都市におけるペット共生社会の実現を目指して」

麻布大学

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麻布大学のルーツは、明治23年(1890年)、與倉東隆によって東京の麻布(現 港区南麻布)に開設された「東京獣医講習所」にさかのぼります。1950年に麻布獣医科大学として開学、1980年に麻布大学に改称。麻布大学では建学の精神「学理の討究と誠実なる実践」のもと[…]

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