ハーモニープラス株式会社は、教育現場における学修成果の新たな評価手法に関する学生の意識とニーズを把握するため、全国の大学生955名を対象に「大学での学修成果と支援ニーズ」に関する調査を実施した。その結果、従来の成績評価では捉えきれない多面的な成長の可視化や、個別最適化された支援への強い期待が明らかとなった。
文部科学省が掲げる「教学マネジメント指針」では、教育成果の把握と可視化が重点課題として明記されている。各大学では、GPAや単位といった「結果」だけでなく、努力や協働など「過程」をどのように評価・記録するかが問われている。
調査によれば、「成績以外の取り組みや成果を記録・証明する仕組みがあったら活用したい」と回答した学生は75.7%(「とても活用したい」23.2%+「まあまあ活用したい」52.5%)にのぼった。学生たちは、レポート、ディスカッション、課外活動、ボランティアなど幅広い経験を“見える形”に残したいと考えており、成績だけでは捉えきれない「努力の質」や「学びの姿勢」への評価ニーズが高まっている。
学生が「十分に評価されていない」と感じる活動の上位は、「継続的な努力」(30.4%)、「課外活動」(17.4%)、「グループワークの過程」(16.2%)。出席、課題提出、役割の遂行など、日々の積み重ねや貢献のプロセスが成果として残らないことへの不満や課題意識が存在しており、頑張りが報われる教育環境の整備が求められている。一方で「特に評価されていないと感じるものはない」との回答も26.9%あり、認識には個人差が大きいことも明らかとなった。
可視化された学修成果の活用先として最も多かったのは「就職活動」(50.2%)であり、成績以外の努力や経験も自己PRやエントリーシートで発信可能な資産と考える学生が多いことを示している。その他、「自己理解や将来設計」(15.4%)、「留学や進学」(11.2%)といった回答もあり、学修成果の可視化は単なる記録にとどまらず、「振り返りから活用」までつながるツールとして期待されている。
今回の調査結果は、「継続的努力の可視化」「多面的な評価システム」「個別最適化された支援」「キャリア接続の強化」といった新しい教育支援の在り方を示唆している。教育のDX化が進む中、ポートフォリオシステムやAIを活用した個別最適化支援の重要性が高まっており、大学と企業が連携して学生の努力を正しく社会に伝える仕組みづくりが求められている。
参考:【PR TIMES】【大学生約1,000名に聞いた】学生目線の可視化ニーズとは?〜学修成果の可視化はどれほど学生のためになっているのか?〜