九州大学の小江誠司主幹教授らの研究グループは熊本大学と共同で、酸素と鉄から成る新たな化合物を開発しました。これを水素イオンと反応させることで水を生成することも確認できました。既存の技術と組み合わせることで新しい燃料電池の開発が可能になります。
今回の研究でグループは「酸素耐性ヒドロゲナーゼ」の反応の中心となる部分を人工的に模倣した物質を合成しました。鉄原子の周りを酸素原子が取り囲むような構造をしています。これを水素イオンと反応させることで水を生成することに成功しました。これによってすでに開発済みの技術と組み合わせることで、プラチナを使わない燃料電池を作ることが可能になりました。
水素社会の実現に向けて、課題が着実に解決されていっています。水素元年とも言われる2015年も終わろうとしていますが、普及に向けた大きな一歩となるでしょう。