日本学術会議幹事会は新型コロナウイルス感染症対策で予防や制圧に必要な措置を検討するとともに、対策の立案、政府への提言を進めることを明らかにした声明を発表した。流行阻止のガイドライン作成やワクチン開発のための官民協力体制、政府の政策決定に対する専門家参画などを打ち出している。
日本学術会議によると、声明は幹事会の山極壽一会長、三成美保副会長ら幹部の連名で公表した。現在取るべき対策として感染拡大のスピードを抑制、可能な限り重症者の発生と死亡数を減らすことと指摘、政府と地方自治体には正確な情報の提供、国民には政府や自治体の感染症対策に協力するよう呼びかけている。
日本学術会議の対応としては、連邦政府機関が現地調査を進めて政府に助言している米国の事例を挙げ、大規模感染症の予防と制圧に必要な体制の整備を検討するとした。さらに、政府の政策決定に専門家がどうかかわるべきかや、記録と保存のあり方についても提言する。
日本学術会議は第二部(生命科学)に大規模感染症予防・制圧体制検討分科会を設置し、新型コロナウイルスに関する知見を収集、行政の対応や学術界、産業界との連携などについて本格的な検討をスタートさせる。
参考:【日本学術会議】日本学術会議幹事会声明「新型コロナウイルス感染症対策に関するみなさまへのお願いと、今後の日本学術会議の対応」 (PDF)