理化学研究所、東京工業大学、九州大学、富士通、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド)の共同研究でスーパーコンピュータ「京」が、11月に発表されたビッグデータ処理に関するスーパーコンピュータの国際的なランキングGraph500において第1位を獲得しました。2015年7月に続く成果です。
近年、人間の社会活動を詳細に調べる際にインターネット上の膨大なデータ(ビッグデータ)などが活発に用いられるようになってきました。こうした解析においてビッグデータは大規模なグラフとして表現されますが、コンピュータによる解析が不可欠です。例えばソーシャルサービスの利用者同士のつながりの分析、金融取引の安全性担保から医療、科学に至るまで多くの分野でグラフ解析が用いられています。ビッグデータ解析は実社会で起きている様々な問題・課題を解決する上で必要な情報を明らかにするために欠かせない物と考えられています。そのためグラフ解析の用途は今後広がっていく事から、コンピュータのグラフ解析速度を競うGraph500が2010年から始まりました。
科学研究などで用いられる一般的なシミュレーションではコンピュータが得意な規則的な計算が多いのに対して、グラフ解析は不規則な計算が大半を占めています。これに対応できるコンピュータの性能の高さを示す結果となりました。同時にコンピュータの性能を最大限に活かすためのソフトウェアの技術の高さを示すものでもあります。
今後はプログラムの改良によってさらなる性能向上を目指していく予定です。これによって社会が抱える課題解決に貢献していくとしています。