4.アクティブラーニングからアクティブティーチングへ

では、質の低い(失敗に終わった)ALと質の高いそれとを決定的に分ける要因は何であろうか。もちろんその解を一つに絞ることはできないだろう。しかし、あえて一つ挙げるとすれば、筆者は教員自身の能力・態度を挙げたい。特に教員自身の態度はALの質に大きく影響する。それは、前述の通り、形式的なALをやっていれば満足だという教員の存在からも理解できるだろう(このような教員に能力があるかは甚だ疑問ではあるが)。

「学習内容よりも、学生に書く・話す・発表するなどの活動をさせるだけで十分であると、極端に理解し、満足している大学や学部、そして教員がいることは確かである。・・・中略・・・内容より形態に関心が向けられているのだから、内容的に薄っぺらい授業となるのは当然である(溝上〔前掲書〕、104-105頁)」という指摘をより進めるならば、教員が生徒・学生の成長にこだわりをもち、それを果たすために主体的・能動的に教育を行う。いわば、アクティブティーチング(AT)こそがALを成功させる決定要因となるのではないだろうか。先のコンビニ弁当の例のように、受講生が直面する課題を克服したあとに更なる課題を提示・提供する。そのプロセスを時間や能力が許す限り繰り返そうとするATこそが、ALを成功させるために必要なのだと考えられる。その意味では、現在多くの大学・学部でAL導入に関する議論が交わされているが、ALを成功させるためのATを行える仕組みづくりこそが急務であるかもしれない。

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坂田 隆文

坂田 隆文

中京大学総合政策学部教授、博士(商学)、中京大学教育推進センター委員会能動的学修推進部会部会長。名古屋大学、名古屋市立大学、金城学院大学非常勤講師。マーケティング戦略論、流通論、商品企画論を主な専門とし、「面白さ」と「わかりやすさ」と「有益さ」という3つを重視した講義・研修で定評がある。近著に『1からのマーケティング・デザイン』(共編著、碩学舎)、『1からの商品企画』(共著、碩学舎)がある。近年では名古屋で若手企業人を集めた異業種交流勉強会を主宰するなど、活動の場を広げている。詳細は担当ゼミHP(http://www.sakataseminar.jp/)にて。