地域との連携によるフィールド教育に定評のある城西国際大学。保育士や幼稚園教諭など“保育のプロ”を目指す「福祉総合学科・子ども福祉コース」では、2019年4月、キャンパス内に常設の保育ルーム“くじらキッズ”を開設。地域の子育て支援を行うとともに、学生にとっては、より現場に近い環境で、今の課題を見つけ、学びを深める場として活用していく。“くじらキッズ”での今後の活動と、「子ども福祉コース」の学びについて、福祉総合学部福祉総合学科長の所貞之氏に伺った。

 

地域の声を聞き、リアリティのあるフィールド教育を実施

光あふれる明るい室内、大きな窓の外には蓮池が広がり、開放感もたっぷり。遊具や絵本、授乳室や沐浴設備など実際の保育施設と同様の設備が揃い、ここが大学キャンパスの一角だということを忘れてしまいそうだ。

「ここには、キャラクターものの遊具や絵本は一切置いていないんです」と、所貞之学科長。常設ルームの開設にあたり、キャラクターに頼るのではなく、遊具や絵本が本来持つ機能や仕掛けを生かし、遊びの質を高めることを重視、学生にも学ばせたいと考えたからだ。

初年度は、当面月2回のペースで親子が自由に利用できる施設開放日「ふれあいタイム」の開催と、専門家による「子育て講座」などを実施。学生はボランティアとして運営をサポートするが、学生主体で企画するイベントなども行っていく計画だ。

「これまでも、定期的に子育て支援の活動を行っており、ボランティアを経験した学生は実習先で得るものが非常に大きかった。常設ルームでは、地域の声を聞きながら、活動内容を充実させていく。よりリアリティのある教育をしていきたい」。

将来的には、子どもの発達段階にあわせた遊びを組みたてる授業などの、実践の場としても活用していくことを目指すという。

 

子どもだけを見るのではなく、ソーシャルワークの視点を育てる

「実は、“くじらキッズ”では、これまで学生が接することの少なかった、母親など保護者と関わる機会が持てるというのも、大きなポイントなのです。

保育や幼児教育の現場では、今後ますます、子どもを取り巻く環境への気づき、生活支援・家庭の支援が求められています。『子ども福祉コース』は、福祉総合学科のなかにあるというのが最大の特長で、そうした福祉的視点=ソーシャルワークの視点をもった保育のプロを育てることを目指しています」。

実際、「子ども福祉コース」では、保育の関連分野だけでなく、幸せな社会の在り方を学ぶ社会福祉の制度、地域やまちづくり、ボランティア、ジェンダーなど多様なニーズを持つ人々への理解、ソーシャルワークの基礎的な技術など、社会全体を考える広い視点を身につけられるカリキュラムが用意されている。地域ボランティア研修や障がい者スポーツイベントへの参加など実践の機会も多い。

「こうした幅広い学びを通じて芽生えた問題意識から、児童相談所など、保育士などとはまた違ったかたちでの子ども支援の道に進む学生もいます。学生のみなさんには、ぜひ、当事者意識を持って、生活者であるその人自身を見るという視点を学んで欲しいと思います」

 

国際総合大学ならではの環境を生かし、多文化理解のある人材に

もうひとつ、これからの保育の現場で欠かせないこととして、「外国籍の子どもや保護者への理解」があげられると所学科長。その点においても、「子ども福祉コース」では、国際総合大学である強みを生かした実践的な学びを模索しているという。

「たとえば、同じキャンパス内には国際人文学部があり、外国人留学生も多い。普段の学生生活のなかでの交流はもちろんですが、学科を超えた連携教育を行うことで、より理解が深まるはずです」。具体的な企画はこれからというが、すでに、環境社会学部との連携教育を実施した実績があり、実現可能性は高そうだ。

また海外研修にも力を入れている。大学全体として用意されたプログラムのほか、学科独自にオーストラリアやアメリカ、ノルウェーなどの福祉施設や保育施設の視察プログラムを実施。国ごとの文化的背景や生活環境への理解、海外の最新理論などを学び、実践に結びつけられる人材を育成する狙いだ。

保育×ソーシャルワーク×グローバル。
この3つの力を背景に、7年連続就職率100%(※)という実績を誇る同学科同コースの、教育力の高さが改めて伺えた。

※福祉総合学科全体 2013年3月卒~2019年3月卒 就職希望者に対する就職率

 

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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