センター利用入試と2期入試が低調、前年より志願者数が半減近い大学も

 私立大入試結果を入試方式別の集計で見ると、今年の傾向がよく読み取れます。全体の志願者数は前述のように前年よりもマイナスですが、一般方式は微増しています。逆に大きく減少しているのはセンター利用入試(センター方式)です。全ての入試方式の志願者数が延べ10万人の減少となっていますが、センター方式は約13万人減少しています。大学別入試結果を見ると、センター方式の志願者数が前年から見て半減近い大学もあります。首都圏では、大妻女子大、共立女子大、駒澤大、実践女子大、津田塾大、東京女子大、東洋大、日本女子大、明治学院大、立正大、フェリス女学院大などのセンター方式の志願者数の減少が目立ちます。近畿圏では摂南大、阪南大が3割近く減少していますが、首都圏で見られるような半減近い現象となる大学はほとんど見られません。

 また、2期入試はここ数年、1期入試の合格者数の減少による再チャレンジの機会として志願者数が増加してきましたが、今週入試では一転して志願者数が減少しました。しかし、合格者数は2割増加しているため倍率は低下しています。ここ数年、各私立大が定員管理を厳格に行うために1期入試での合格者数を少なめに発表し、手続き状況によって不足分を2期入試で補完するという現象が見られました。2期入試は合格者総数の調整機能を果たしてきたのです。しかし、それも2期入試で十分な志願者数があるからこそできる方法です。今回見られた2期入試の志願者数減少は、今後は2期入試まで残る受験生数が限られてくる事を示唆する兆候かも知れません。

私立大 大学別入試結果
https://www.keinet.ne.jp/exam/past/pdf/20s_daigaku.pdf

 

AO入試と推薦入試の志願者数は増加、来年は0(ゼロ)期入試化の様相も

 前節で見たように私立大のセンター方式、2期入試では志願者数が大きく減っています。人口減少により大学志願者数が減っていますので、やむを得ないのかも知れませんが、受験生がセンター方式と2期入試以外の入試に流れている可能性も考えられます。旺文社教育情報センターのサイト(http://eic.obunsha.co.jp/)には「2020年度 推薦・AO入試結果速報」が掲載されていますが、これを見ると国公立大でセンター試験を課さない推薦入試の志願者数は前年よりも増加しています。また、私立大の公募推薦入試は志願者数が前年並みですが合格者数は1割以上増加しています。私立大の指定校推薦の入試結果は掲載されていませんが、恐らく志願者数・合格者数は増加していると思われます。つまり、この時点ですでに一般選抜を受験する大学志願者が一定数減少していたことになります。さらにAO入試の入試結果を見ると、国公立大でセンター試験を課さないAO入試と私立大のAO入試は共に志願者数が1割以上も増加しています(国公立大は合格者数も1割以上増加しています)。

 これらの動向から、受験生はこれまでに見られたような一般選抜の中でセンター方式などを併願して、手堅く受験する方法よりも、総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)を受験機会として活用していると見ることもできます。もともと近畿圏では、私立大学の公募制推薦を0(ゼロ)期入試として捉えている受験生が少なくはありません。今後はそれが全国的にも見られるようになるかも知れません。

2020年度 推薦・AO入試結果速報
http://eic.obunsha.co.jp/analysis/202004_02/?sp=kyoin&_ga=2.203175441.1053796005.1591243336-1129369201.1584754197

 

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神戸 悟(教育ジャーナリスト)

神戸 悟(教育ジャーナリスト)

教育ジャーナリスト/株式会社KEIアドバンス コンサルティング部 部員
/大学入試ライター・リサーチャー
1985年、河合塾入職後、20年以上にわたり、大学入試情報の収集・発信業務に従事、月刊誌「Guideline」の編集も担当。
2007年に河合塾を退職後、都内大学で合否判定や入試制度設計などの入試業務に従事し、学生募集広報業務も担当。
2015年に大学を退職後、朝日新聞出版「大学ランキング」、河合塾「Guideline」などでライター、エディターを務め、日本経済新聞、毎日新聞系の媒体などにも寄稿。その後、国立研究開発法人を経て、2016年より大学の様々な課題を支援するコンサルティングを行っている。KEIアドバンスは河合塾グループのため、膨大な入試データを活用したシミュレーションや市場動向調査が可能なこともあり、将来構想・中期計画策定、新学部設置、入試制度設計の支援など設置者を問わず多様な依頼が日々多く寄せられる。
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