今までも時代のニーズと変化に合わせて教育・研究体制を変革してきた龍谷大学。1639年に西本願寺に設けられた「学寮」を起源とする由緒ある教育機関だが、2025年4月に経営学部に※商学科を新設し、経営学科と商学科の2学科制となる予定だ。この新生・経営学部がめざす学びについて聞いた。

 


現代社会に求められる人材育成で
多様化・複雑化するビジネス界に対応

 近年はビジネスが多様化している。従来の延長線上にあるスケールアップ型企業と、イノベーションを期待されるスタートアップ型企業では、経営の形も求められる人物像も異なる。そんな環境の変化を背景に、龍谷大学経営学部では2025年4月、スタートアップ志向の人材育成に対応した商学科を新設する。

実践と知識を基盤とする往還型教育で
地域課題にも貢献できる学びを

 この商学科には、事業の創造や運営の実践と知識を学ぶ「事業創造コース」と、マーケティングや流通の実践と知識を学ぶ「マーケティングコース」が設置される。両コースともに、初年次から実践(実践型科目)と知識(講義型科目)の往還型教育を展開するカリキュラムが特徴だ。

 同学科に着任予定の眞鍋邦大准教授は、社会人経験を持つ教育者。研究成果や座学の知識を社会で実践し、そこで得た知見を還元する往還型の学びの意義を、自ら実践してきた先駆者でもある。だからこそ、ゲスト講師に企業経営者や農業従事者、流通業者などの実務家を招いたり、ゼミ活動の一環として子ども食堂や農場へと取材に赴いたりと、実学や現場に触れる機会を積極的に増やしてきた。

「本学周辺には伝統産業や革新的なものづくり企業、老舗と呼ばれる店舗が数多く集まっています。商いの歴史がある京都で、往還型教育を展開しながら、日本の新たな商いの形を考えることには大きな意味があるはずです」

 真鍋准教授はそう語る。往還型教育を通じて多様な課題に触れ、地域や社会の課題解決に貢献する。そんな学生たちの未来の活躍が期待できる学科となりそうだ。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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