1982年の創立以来、アメリカ大学の日本校として教育を提供してきたテンプル大学ジャパンキャンパス(以下、TUJ)。2025年1月には京都に新拠点を開校し、ますます存在感を強めている。山梨県、長崎県、愛媛県、京都府など包括連携協定を結んでいる自治体も年々増加。「学生ファースト」の姿勢を念頭に、規模拡大や教育体制の充実を図ってきた。
実際にTUJで学ぶ学生は、どのような点に魅力を感じているのだろうか。国際ビジネス学科3年生の小高千怜さん、国際関係学科2年生の中澤康司さんに伺った。
(左) 小高千怜さん (右) 中澤康司さん
TUJを選んだ理由
小高さんがTUJを知ったのは高校3年生の夏。インターネットで志望校を調べていたとき、TUJの広告を目にしたのがきっかけだった。
「最初はあまりにも理想的な環境すぎて懐疑的でしたが、調べていくうちに本当だとわかって興味がわきました。少人数クラス、ディスカッション重視の授業、なおかつアメリカの学位がもらえるといった点が魅力的で。それまでは早稲田大学か上智大学への進学を考えていましたが、第一志望をTUJに変えました。」
一方中澤さんは、家族がTUJに通っていたことと、英語と日本語がどちらも使える環境であることを入学理由に挙げた。また、学費面の有利も決め手になったそうだ。
「当初は海外大学への進学も視野に入れていましたが、円安が進んで負担が大きくなってしまったため、日本の大学に絞ることにしました。日本にいながらアメリカの大学教育が受けられるのは、とてもありがたいです。」
テンプル大学の本校はアメリカ東海岸の都市、フィラデルフィアにあるため、日本人が4年間留学するにはかなりの金額が必要だ。しかしTUJの学費は日本の市場に合わせて設定されているため、本校よりも安い。また、2022年から開始した「フライ・トゥ・フィリー・プログラム」を利用すればTUJと同額の学費で本校に1年間留学できる。
1クラス最大40人という少人数授業を行っているのもTUJのこだわりだ。教員と学生の距離が近く、ひとりひとりの発言が学びを掘り下げている。幼少期を海外で過ごした小高さんと中澤さんにとって、ディスカッションベースの授業は親しみ深いものだった。
授業や課外活動では日本とアメリカに限らず、世界中からやってきたさまざまな国籍の学生が意見を交わす。小高さんが学んでいる国際ビジネス学科には、卒業後にビジネスを立ち上げようと考えている学生も多く、常に刺激を受けているようだ。
「経験を踏まえて話してくれる人や、ほかの国での事例を挙げてくれる人もいて、とても多角的な議論になります。おかげで新しい発見がたくさんありました。」
中澤さんは授業だけでなく、クラブ活動でも多様性のある環境を実感している。
「TUJは学生の年齢層が広いのも特徴です。僕はフットサルクラブに所属していて、学年や国籍に関係なくみんなでボールを追いかけています。」
ほかにもオフィスアワーに教員と話したり、学内アルバイトでスタッフとともに大学運営に携わったりと、教職員とコミュニケーションをとる機会が豊富に用意されている。マシュー・ウィルソン学長も「学生ファースト」の姿勢を体現するように積極的にキャンパス内を歩き、学生やスタッフと交流する時間を設けているそうだ。
自主的に挑戦する学生たち
ウィルソン学長が求める人物像は「チャレンジしたい人」。先人たちが整備した道をただ辿るのではなく、険しい道を自ら選ぶ人にTUJはぴったりだと語る。
「本学ではすべての授業を英語で行い、学生の中には米国本校やローマ校、その他の提携大学に留学し、海外で学ぶ人もいます。まだ舗装されていない道を自ら開拓して山を登っていく。そんなチャレンジ精神のある学生は、本学で大きく成長できると思います。」
学長の言葉通り、学生自身も挑戦を大切にしている。たとえば小高さんは、自力で人脈を築いて映像制作会社でのインターンシップを実現した。
「好きなアーティストのライブに行ったときスタッフの方に質問して、イベントの作り方や業界についてのお話を伺いました。その方が映像制作会社を紹介してくださったおかげで、インターンシップの機会を得ることができました。もちろん急に話しかけて大丈夫か、などの不安もありました。しかし、何もしないのはもったいないので、勇気を出して行動しました。その結果インターンシップが決まったので、挑戦することに損はないと実感しています。」
国際色豊かな環境で挑戦し、成長を遂げる学生たち。卒業後に期待しているのは、「リーダーになること」だと、ウィルソン学長は述べる。
「学生たちは本学で、さまざまな国の文化や価値観を知り、多角的に物事を考えられるようになります。ぜひ卒業後はグローバル人材として、あらゆる場面でリーダーシップを発揮してほしいと思います。指導者になることだけを意味するわけではありません。家庭、地域、会社、学校など、自分が選んだ場所で人のために貢献できるリーダーになってほしいと願っています。」
リーダーシップ育成のための取り組みもある。2021年より始まった「次世代リーダーズプログラム(Emerging Leaders Program)」だ。社会で活躍するリーダーたちと交流しながら学ぶほか、秋学期の最後に開催される校内行事「スピリット・ウィーク」に向け、学生たちがイベントを企画・運営する。プログラムの主な対象は新入学部生で、小高さんと中澤さんも参加した。中澤さんは「とても実践的な内容だった」と、当時の経験を振り返る。
「やりたいことと予算を照らし合わせながら検討し、現実的なプロジェクトを運営する経験を積むことができてよかったです。最初はグループ内で意見がまとまらず苦労しましたが、学内外でメンバーと交流を重ねるうちに議論が活発になりました。」
マシュー・ウィルソン学長
TUJの教育をより多くの人に
2025年2月現在、TUJでは2,600名以上の学部生が学んでいる。ウィルソン学長が赴任した2020年9月と比べると、その人数は2倍以上に増加した。フルタイム勤務の教員も増員し、ここ3年間で2.5倍に。今後も学生・教員を増やし、TUJの優れた教育をより多くの人に届けたいとウィルソン学長は意欲を見せた。
「学生数が増えても快適に過ごせるよう、施設もさらに充実させていきます。新たな専攻の導入も考えているので、ご期待ください。」