芝浦工業大学は、2023年度から大学院修士課程進学者への奨学金に「女子枠」を新設するなど、修士課程の奨学金制度全体を一新し、給付対象者も大幅に拡大する。

 日本の工学系分野における大学院の女子学生比率は、「文部科学省学校基本調査 令和2年度」によると14.6%で、世界と比較して低水準であり、学部卒業者の大学院進学率も11.3%と、こちらも主要国と比較して非常に低い。このような現状を踏まえ、芝浦工業大学では、2027年の設立100周年に向け、女子学生比率30%(現在18.7%)、大学院進学率60%(現在37.9%)を目標として掲げ、今回の奨学金制度拡充によって女子学生の理工系進学を支援し、大学院進学率全体の底上げを目指す。

 これまでも芝浦工業大学は、理工系女性育成貢献のためにさまざまな施策を行っており、2014年に13.8%だった学部生女子学生比率は現在18.7%まで向上。女子学生の大学院進学率も2021年に3割を超えた。2022年度からは100人超の成績優秀な学部女子入学者へ入学金相当(28万円)を給付する奨学金制度も開始した。そして、2023年度からは、女子学生の大学院進学を後押しするため、大学院修士課程の奨学金制度において学科成績女子1位の女子学生(合計16人)へ、最大60万を給付する「女子枠」を設置し、これまで以上に理工系女性の育成に尽力する。

 2023年度から大学院修士課程の奨学金制度は「女子枠」を設けるだけでなく全体を一新。これまで複数の制度が運営され、学生や保護者にとって複雑で分かりにくかったため、2023年度から2種類に集約する。新制度「修士課程進学奨励給付奨学金(学科推薦の成績上位者対象/「女子枠」も含む)」では、奨学金の支給対象範囲を拡大し、学科成績上位者に対して修士課程の2年間で合計120万(年間60万)円給付、60万(年間30万)円給付の他、学科成績上位50%まで20万(年間10万)円を給付する。また、継続制度となる「グローバル理工系人材育成大学院給付奨学金(TOEIC®L&Rのスコアを550点以上が対象)」では、採用枠を100人追加し、対象者の拡充を図る。

 さらに、大学院博士(後期)課程における給付奨学金に関しても「女子枠」の追加検討を進めており、内容が確定次第、芝浦工業大学Webサイト等で告知する。

参考:【芝浦工業大学】芝浦工業大学が大学院修士課程進学者への奨学金に女子枠を新設

芝浦工業大学

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2027年に創立100周年を迎える芝浦工業大学。工学部・システム理工学部・デザイン工学部・建築学部の4学部16学科1課程体制で、2020年度から「データサイエンス科目」を全学部で導入し、「理工系総合大学」と呼ばれるほど多種多様な研究分野を誇ります。学生一人ひと[…]

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