慶應義塾大学医学部の野村周平特任准教授らの研究グループが新型コロナウイルスワクチンの接種意向に関する大規模全国調査を実施したところ、接種の利点を認識したり、身近な人が接種したりすることで接種する方向へ心変わりしていることが分かった。
慶應義塾大学によると、研究グループは新型コロナウイルスワクチンの一般接種が始まる直前の2021年2月、3回目の接種が始まっていた1年後の2022年2月の2度に渡り、20歳以上の日本人約1万9,000人からワクチン接種の意向をオンラインで聞き取った。そのうえで、1回目と2回目の調査で心変わりした人たちの回答を解析した。
1回目の調査で「接種しない・するか分からない」と答えた人8,077人のうち、2回目の調査では5,861人が「接種した・するつもり」と心変わりしていた。このグループをクラスター分析という統計手法で解析したところ、
・接種の利点を認識した
・身近な人の接種状況を知った
・接種の社会的意義を認識した
・ワクチンの副反応や安全性に対する不安が払しょくされた
・仕事や人間関係上の都合
-の5つの特徴で説明できることが分かった。
逆に、1回目の調査で「接種する」と答えた1万1,118人のうち、2回目の調査で「接種していない・するか分からない」と答えた434人を回帰分析という統計手法で解析したところ、
・未婚である
・健康状態が悪い
・インフルエンザワクチンを例年接種していない
・新型コロナの感染歴がある
-などが特徴として挙げられることが明らかになった。