名古屋市立大学と中部大学の研究により、アルツハイマー病モデルマウスの飼育環境温度を上昇させると、深部体温が上昇し、それに伴って認知機能障害やアルツハイマー病に関連する病態が促進されることが明らかとなった。

 アルツハイマー病では、体温調節機能の障害や低下が起こることが示されている一方、体温とアルツハイマー病の病態進行との因果関係は明らかとなっていない。そこで本グループは、アルツハイマー病モデルマウスの飼育環境温度を上昇(23℃→めであることが突き止められた。リン酸化タウタンパク質レベルの増加メカニズムとしては、深部体温の上昇によって熱ショックタンパク質、ストレス誘導性kinase、そしてタウタンパク質レベルが上昇するために、高度にタウタンパク質のリン酸化が亢進されることがわかった。

 地球温暖化に伴い、世界的規模で気温上昇が認められる中、アルツハイマー病病態の進行が体温の影響を強く受けることが明らかとなったことは、環境温度や室温コントロールがアルツハイマー病の病態進行予防に重要な意味をもつことを示している。

論文情報:【Scientific Reports】Sustained high body temperature exacerbates cognitive function and Alzheimer’s diseaserelated pathologies

名古屋市立大学

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医学部・薬学部からなる公立大学として開学し、現在は7学部7研究科からなる都市型総合大学。2016年には経済学研究科「医療経済マネジメントコース」、2017年には医学研究科「臨床医療デザイン学分野」、人間文化研究科「臨床心理コース」が開設され、新たな学術分野を切[…]

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