株式会社ブロードバンドタワー、パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社、日本電信電話株式会社、東京工業大学、国立研究開発法人情報通信研究機構、名古屋大学、東京大学、名古屋工業大学からなる研究開発チームの共同提案が、総務省による平成30年度における電波資源拡大のための研究開発課題に採択された。
電波資源拡大のための研究開発は、総務省が新たな電波利用ニーズ拡大に対応するため、周波数のひっ迫状況を緩和し、電波を有効利用することを目的として実施している。平成30年度は6件の研究開発課題が公募され、本共同研究開発チームは、研究開発課題「5Gの普及・展開のための基盤技術に関する研究開発」における技術課題「基地局の低消費電力化・小型化を実現するミリ波帯基地局構成技術」の確立に取り組む。
次世代通信技術である5Gは、2020年から本格的に普及・展開が始まるとされ、5G基地局は利用形態とその周波数の特性を考慮した配置、性能確保が求められている。一定のカバレッジを実現するためには、基地局の高出力化、稠密かつ柔軟な配置が必要であり、これを可能とする基地局の小型軽量化、低消費電力化が課題となっているという。
本チームでは、基地局の主要構成要素であるアンプの高出力化・高効率化、優れた量産手法の確立が有効と考え、これにつながるデバイス技術、回路技術、実装技術等の包括的開発を解決手法として提案した。チームには、2014年にノーベル物理学賞を受賞し、窒化ガリウムの研究開発で世界的な知見を有する名古屋大学の天野浩教授も加わっており、5Gイノベーションに向けての研究開発が期待されている。