トラックドライバーの居眠り運転事故で、広島大学大学院医系科学研究科の塩見利明寄付講座教授、熊谷元寄付講座准教授らが事故直前のドライブレコーダー映像を分析したところ、居眠りの実態が15秒未満の短い睡眠のマイクロスリープであることが分かった。

 広島大学によると、研究グループは実際に起きた52件のトラックドライバー居眠り運転事故のドライブレコーダー映像から事故直前のドライバーの行動、車外の状況を1秒ごとに分析した。

 その結果、事故の発生場所が一般道路、高速道路に関係なく、マイクロスリープが事故直前に頻発していた。さらに、無意識に顔を触るなどドライバーの抗眠気行動の増加、眠気が強まることによる抗眠気行動の減少、頭部が前に落ちるなどマイクロスリープの兆候増加、不自然な車線逸脱など車両の挙動異常の順に状況が変化することも明らかになった。

 トラックドライバーの居眠り運転事故は大事故につながることが多く、社会問題になっている。衝突被害軽減ブレーキなど安全支援措置が進化しているものの、事故の防止につながっていない。研究グループは今回の研究結果を基に産学連携で事故防止策を検討する必要があるとしている。

論文情報:【Accident Analysis and Prevention】Dashcam video footage-based analysis of microsleep-related behaviors in truck collisions attributed to falling asleep at the wheel

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