兵庫県は2021年4月開学を目標として、県北部の但馬地域にある豊岡市で専門職大学を開設する計画を明らかにした。若者の流出で人口減少が続く但馬地域の活性化を目指し、芸術文化や観光事業を担う人材の育成が目的で、演劇を本格的に専攻する国公立大学は初めてという。
兵庫県によると、新設を計画する専門職大学は国際観光芸術専門職大学(仮称)。豊岡市山王町のJR豊岡駅から約600メートル離れたショッピングセンター「さとう豊岡店」の跡地約1ヘクタールを豊岡市が買収し、隣接する市有地0.4ヘクタールと合わせて大学用地として無償提供する。
文化・観光創造学部を設置し、1学年80人を募集する。学長は豊岡市内の城崎国際アートセンターで芸術監督を務める劇作家、演出家の平田オリザ氏が就任する予定。学生は城崎温泉の旅館などで職場体験を行い、城崎国際アートセンターで海外アーティストの滞在支援を実習で体験する。
豊岡市は城崎国際アートセンターを拠点とし、演劇を活用した地域活性化を模索している。専門職大学では演劇で地域に元気をもたらすことができる人材育成にも力を入れる。
豊岡市は但馬地域の中心都市だが、人口が8万人を割るなど急激な人口減少に直面している。日本最後のコウノトリ生息地として知られ、城崎温泉など観光地を抱えるものの、若者の市外流出が深刻で、その解決策として専門職大学に期待している。