東京大学などの研究グループは、世界五大穀物の一つ、ソルガムの乾汁性決定遺伝子を世界に先駆けて単離することに成功した。さまざまな製糖・エネルギー作物における品種改良の効率化に役立つものと期待される。研究グループには、農業・食品産業技術総合研究機構、名古屋大学、国立遺伝学研究所、基礎生物学研究所、株式会社アースノート、信州大学などが参加している。

 ソルガムは熱帯アフリカ原産のイネ科一年草で、世界五大穀物の一つとされる。製糖・エネルギー作物としても潜在能力が高い。その茎搾汁液からの糖やエタノールの生産効率を左右する形質の一つに、茎の水分含量によって規定される「乾汁性」が知られている。乾汁性は、単一遺伝子によって支配される形質であることが100年ほど前から予想されていたが、その実体は不明だった。

 そこで研究グループは、遺伝子の特定や機能の解明を試みた結果、ソルガムの乾汁性を決定する遺伝子を発見し、染色体上の位置を突き止めた。さらに、茎の主要組織の一つで、水分や養分を貯蔵する役割を担う「茎柔組織」において、茎水分含量の低下をもたらす大規模なプログラム細胞死(遺伝的制御による能動的な細胞死)の発生にこの遺伝子が重要な役割を果たしていることが判明した。

 製糖・エネルギー作物における茎水分含量の増大は、茎搾汁液の生産量や生産効率の向上につながる。一方で、茎水分含量の低減は、それらを原料とした飼料や燃料用木質ペレッ トの生産性改善に有利であるとされる。今回の研究成果は、乾汁性決定遺伝子機能の調節を標的とした、糖やエタノール生産用作物の効率的な品種改良や、新たな資源作物開発への道を拓くものとして期待される。

論文情報:【Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America】Transcriptional switch for programmed cell death in pith parenchyma of sorghum stems

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