世界的な科学情報企業のクラリベイト・アナリティクスが選んだ2018年の「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」に、日本から京都大学化学研究所の金久實特任教授が入った。学術論文の引用データ分析からノーベル賞クラスと目される研究者を毎年、選んでいるもので、金久教授以外では国外の研究者16人が受賞した。

 クラリベイト・アナリティクスのよると、金久教授は全遺伝情報など生命科学のビッグデータから生体システムの機能を解読、創薬や医療につながるデータベースの「KEGG」を開発したことが認められた。

 金久教授は「KEGGは創薬や医療につながる有用性を見いだすためのバイオインフォマティクス(生命情報技術)でもあり、データの中から経験則を見いだし、生命の原理を探究する側面があることにも注目してほしい」とのコメントを発表している。

 クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞は旧トムソン・ロイター引用栄誉賞で、ノーベル賞のうち医学・生理学、物理学、化学、経済学の4賞と同じカテゴリーで構成され、引用分析から近い将来、ノーベル賞を受賞する可能性が高い研究者を選んでいる。

 過去にクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞を受賞した日本人研究者は26人。このうち、京都大学iPS研究所の山中伸弥所長は2012年にノーベル医学・生理学賞、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授は2014年に物理学賞、東京工業大学科学技術創成研究院の大隅良典特任教授は2016年に医学・生理学賞を受けている。

参考:【クラリベイト・アナリティクス】クラリベイト・アナリティクスが「引用栄誉賞」を発表 2018年日本からの受賞者は1名

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