名古屋大学宇宙地球環境研究所の小路真史特任助教、三好由純教授は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所らとの共同研究により、世界で初めて宇宙空間でのプラズマ波を介した粒子のエネルギー輸送を実証した。

 宇宙空間は完全な真空ではなく、プラズマと呼ばれる荷電粒子で満たされているが、地球からの数千から数万km離れた場所では、密度が非常に低く、荷電粒子同士はほとんど衝突しなくなる。しかしながら、地球の周辺では、オーロラを光らせるのに十分なエネルギーを持つ電子や、衛星に障害を与えるほどの高エネルギー粒子の存在が知られている。無衝突状態でどのように荷電粒子が高いエネルギーへと加速されるのかは謎のままであった。

 同グループは、今回、米国NASAのMMS衛星編隊に搭載された低エネルギーイオン計測装置を中心とした観測データの解析によって、地球近傍の宇宙空間で、異なるプラズマ粒子群(水素イオンとヘリウムイオン)が衝突せずにプラズマ波動を介してエネルギーを輸送している現場を捉え、エネルギー輸送率の直接計測に成功した。

 プラズマ波動を介して、異なるプラズマ間でエネルギー輸送が起きていることを実証したのは世界初の成果であり、今後、他の種類のプラズマ波動やプラズマとのエネルギー交換過程も、直接かつ詳細な観測で実証していけると期待される。

 本成果は、2018年9月7日発行の米国科学誌「サイエンス」に掲載された。

論文情報:【Science】Direct measurements of two-way wave-particle energy transfer in a collisionless space plasma

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