2020年度から現行の大学入試センター試験に代わって導入される大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)が、2018年11月10日・11日の2日間、全国の大学などを会場に行われた。高校2、3年生の約8万4,000人が参加する中、作問や実施体制の課題が検証された。調査結果は2018年度中に公表される。

 大学入試センターによると、実施されたのは国語と数学だけを1日で行うA日程と、英語や理科、地理歴史・公民もある2日間のB日程。A日程には全国1,143校から約6万6,900人、B日程には708校から約1万7,500人が参加した。各会場では制服姿の高校生が続々と集まり、問題が配布されると緊張した面持ちで試験問題に取り組んでいた。

 本番では、国語と数学Ⅰ、数学Ⅰ・Aで新たに記述式問題が出題される。2017年11月の第1回試行調査では、国語の正答率が0.7%、数学が2.0~8.4%にとどまり、半数前後が無解答となるなど、難易度の高さが問題視された。今回は数学で3問が出題されたが、数式だけやごく短い文章で答えるよう問題を工夫している。

 大学入試センターは2017年の試行調査で配点を公表していなかったが、今回は明示しており、マーク式と記述式を合計した正答率が50%になるよう作問した。

 本番では英語の試験で「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価する試験問題が出るほか、大学入試センターが認めた民間試験も導入される。しかし、今回はセンター試験と同様に筆記、リーディング、リスニングだけが実施され、「読む」「聞く」の2技能を評価する。

参考:【大学入試センター】大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度試行調査を実施しました

大学ジャーナルオンライン編集部

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