2018年11月13日、「卒業時における質保証の取組の強化」を目指す東京都市大学(東京都世田谷区)が、世田谷キャンパスにて第2回大学教育再生加速プログラム(AP)シンポジウム「改めて、学修成果の社会への提示とその意義を考える」を開催した。

 東京都市大学は、文部科学省による平成28年度 大学教育再生加速プログラム(AP)「高大接続改革推進事業」-テーマⅤ「卒業時における質保証の取組の強化」の選定を受け、日本版ディプロマ・サプリメントの開発を目指して学修成果を重視した教育改革を進めている。今回のシンポジウムは、学生が成長を実感できる大学教育の実現と社会に通用する学修成果の獲得に向けて、いま取り組むべき教育改革の考え方、事例や課題などを広く共有し、改めて理解を深めることを目的として開催された。
 
 シンポジウムの前半では、九州大学教育改革推進本部の深堀聰子教授が「学修成果に基づく学位プログラムの設計と教学マネジメントの在り方」と題して基調講演を行った。その後、東京都市大学の皆川勝副学長より、主体的な学修と卒業時の質保証の実現に向けた教育改革の状況、同大学の住田曉弘学生支援部部長より、AP事業を通じた学生のキャリア形成と成長支援の取組について報告があった。引き続き、玉川大学の稲葉興己教学部長より、アクティブ・ラーニング及び学修成果の可視化の取組について報告があった。

 後半では、文部科学省高等教育局大学振興課大学改革推進室改革支援第二係長の河本達毅氏と株式会社NTTデータ公共・社会基盤事業推進部営業推進部長の松本良平氏を加えてパネルディスカッションが行われ、学修成果を重視したこれからの教育のあり方やその評価、学修成果の社会への示し方などについて議論が展開された。

 東京都市大学では、育成する人材像に則ってカリキュラム面での改革を進め、教育システムの改善、全学的なPBL科目の導入による段階的な能力育成、卒業研究ルーブリックの再整備などによって学修成果の評価方法の充実を図る。さらに、独自に開発したe‐ポートフォリオ「TCU-FORCE」(Tokyo City University-FOR Career Enrollment)を活用して、学生が目標設定と省察を行い、自らPDCAサイクルを回すことで学修習熟度を確認しながら、これからの社会で必要とされる能力を獲得していけるよう支援していくとしている。

参考:【東京都市大学】東京都市大学 第2回大学教育再生加速プログラム(AP)シンポジウム ~改めて、学修成果の社会への提示とその意義を考える~

大学ジャーナルオンライン編集部

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