東京都足立区が難関大学合格を目指しながら、家庭の事情で塾や予備校へ通えない高校生を支援するために開設している無料学習塾「足立ミライゼミ」の2期生が始動した。高校1年生26人が入塾し、夢の実現に向けて3年間受験勉強を進める。
足立区によると、足立ミライゼミの2期生には42人が入塾を希望し、26人が学力診断テストなどで選ばれた。講座は毎週水曜日に開かれ、60分の2講座がある。講座は苦手科目になりやすい英語と数学が中心。生徒2人に講師1人がつく個別指導と、AI学習ツールを活用して講座を進める。年間40日程度の講座開催を予定している。
一方、2年目を迎えた1期生は新しい仲間を加えた32人で講座を受講している。講座1コマの時間が90分になり、毎週火曜日に2コマ開催されている。10月からは毎週水曜日に講師のサポート付きで自習や質問ができる場も設けられた。
足立ミライゼミは家庭の経済的な事情で塾や予備校に通えない足立区在住の高校生を受験までの3年間支援するため、足立区が2023年度から開設している。足立区は難関高校合格を目指す中学3年生対象の無料塾「足立はばたき塾」を運営しており、足立ミライゼミはこの高校生版として生まれた。会場は足立区千住の足立区生涯学習センター。2期生たちは「大学で得た知識を生かしてグローバルに活躍したい」「足立ミライゼミに通って進学し、生き物にかかわる仕事に就きたい」などと意欲をみなぎらせている。
足立区はまた、学業成績が優秀でありながら経済的な理由により大学等への進学が難しい人を対象とし、入学金・授業料・施設整備費の全額を給付する返済不要の「給付型奨学金」制度や、授業についていけない高校生の補習や高校中途退学者の学び直しを行う「高校生世代の居場所型学習支援」も2023年度から開始している。