2020年度からスタートする大学入学共通テストで英語の4技能測定に利用できるベネッセコーポレーションの英語民間試験「GTEC」が吃音者に配慮していないことが分かったとして、吃音者で組織する全国言友会連絡協議会が文部科学省に対し、文書で対応を要請した。

 全国言友会連絡協議会によると、文書は立川英雄理事長名の要請書に、九州大学病院の菊池良和助教、言語聴覚士の飯村大智さん名の意見書2通を添付した。

 その中で全国言友会連絡協議会は、最近福岡県で高校生にGTECを強制的に受験させようとする事例が確認されたが、その際に高校生とその保護者が吃音症に対する配慮の有無をベネッセに問い合わせたところ、「吃音賞に対する配慮はない」と回答されたという。

 大学入学共通テストで利用できる英語民間試験は、障害者に合理的配慮をしていることを公表することが条件とされている。それにもかかわらず、吃音がある高校生に対し、十分な配慮や検討がなされていない点について、全国言友会連絡協議会は強く抗議するとした。

 吃音者が大学入試で不利にならない施策として、菊池助教は診断書があれば発話を免除する方法の導入、飯村さんは評価に際して吃音を考慮することなどを求めている。

参考:【全国言友会連絡協議会】文部科学省に対する大学入学共通テストに関する要望書の提出について

大学ジャーナルオンライン編集部

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