金沢大学、大阪大学、東北大学、北海道大学の共同研究グループは、社会性行動の調節に重要なホルモンであるオキシトシン(OT)の類似体を有機合成し、マウス体内で天然に作られる内在性OTよりも長期間作用し、効果も大きい化合物を新たに見出した。

 OTは子宮や乳腺のような生殖器官、心臓および中枢神経系に作用するペプチドホルモンである。OTはまた、神経活動調節作用も持ち、多くの哺乳動物種の社会的なふるまいや認知・記憶といった社会的なコミュニケーションに重要な役割を果しており、「愛情ホルモン」とも称されている。最近では、自閉症などの精神疾患の中心症状である社会性交流障害に有効である可能性が示されるようになってきたが、これまでのOT類似化合物では、充分な薬理効果を証明できず、新たなOT類似化合物が期待されていた。

 そこで、本共同研究グループは、OTの環状構造を作る-S-S- 構造を-SC-に変えたOT類似体であるカルベトシンを基に、7番目のアミノ酸「プロリン」にフッ化ベンゼン化グリシン、またはヒドロキシプロピル化グリシンを付加したOT類似化合物を合成し、それぞれ「化合物2」と「化合物5」とした。興味深いことに、これらの化合物は、OTよりも強力で、効果持続が見込めることが検討により明らかになった。

 本成果により、これらの新規合成化合物が、自閉スペクトラム症等の症状改善に関わる新規薬剤として将来有効利用されることが期待される。

論文情報:【Journal of Medicinal Chemistry】Development of a Highly Potent Analogue and a Long-Acting Analogue of Oxytocin for the Treatment of Social Impairment-Like Behaviors

金沢大学

伝統と革新の融合から新たな知の創造へ

「専門知識と課題探求能力、そして国際感覚と倫理感を有する人間性豊かな人材の育成」を教育目標に掲げています。科学的な世界観と歴史観、論理的展開力、己を磨く人間力、創造力、日本文化・異文化に対する深い理解力を備え、知的基盤社会の中核的リーダーとなって挑戦し続ける人[…]

東北大学

建学以来の伝統である「研究第一」と「門戸開放」の理念を掲げ、世界最高水準の研究・教育を創造

開学以来の「研究第一主義」の伝統、「門戸開放」の理念、「実学尊重」の精神を基に、数々の教育研究の成果を挙げてきた実績を踏まえ、これらの伝統・理念等を積極的に踏襲し、独創的な研究を基盤として高等教育を推進します。[…]

大阪大学

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多様性を受け入れ、変化への柔軟性を発揮し、個性を貴ぶ気風。個々の優れた潜在力を活かし、「一人ひとりの真価」を「阪大の進化」に繋げていくことで大学の基盤を築いていきます。 「対話の促進」「自律性の堅持」の基本理念を特に重視し、キャンパス内で広く実行されていくこ[…]

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大学ジャーナルオンライン編集部

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