スポーツで弱い相手と対戦することで運動パフォーマンスを高められることを、東京農工大学大学院工学研究院の瀧山健准教授、太田啓志研究員らの研究チームが突き止めた。研究チームは練習計画の作成段階で弱い相手との対戦を組み込むことが重要としている。

 東京農工大学によると、スポーツで運動パフォーマンスを高めるには、自分の能力に見合ったプレイや戦略を取ることが欠かせない。研究チームは他者と競い合う中で運動戦略を模索する可能性に着目し、テニスやサッカーでライン際やポスト際を狙う事例を参考にして被験者がどこを狙っているのかを定量化した。

 その結果、相手が強い場合や1人で練習する場合は失敗の危険性が高いところを狙うケースが多く見られた。逆に相手が弱いときはそのような傾向が出ず、自分の運動能力に見合う戦略を組み立てていることが分かった。

 相手に対する勝率をコンピューターでシミュレーションしたところ、相手が弱いときに取った戦略が勝率を最大に引き上げる方策であることも明らかになった。

 人間の行動特性として自分の能力を超え、失敗の危険性が高い戦略を好むことが分かっているが、研究チームは1人で練習しているときに修正が困難な危険性の高い戦略を、弱い相手と対戦することで修正することが可能になるとみている。

論文情報:【Scientific Reports】Optimizing motor decision-making through competition with opponents

東京農工大学

農学、工学の視点から「持続発展可能な社会の実現」に向けた課題解決を目指す国立科学技術系大学。

東京農工大学は1949(昭和24)年に東京農林専門学校と東京繊維専門学校が統合して設立されました。しかし、その起源は明治7年(1874年)に設立された内務省農事修学場と蚕業試験掛にまでさかのぼります。現在では農学部と工学部からなる唯一の国立大学としてこれらの知[…]

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