九州工業大学大学院工学研究院の中戸晃之教授をはじめとする共同研究グループは、光ピンセットの技術を用いることで、水中に分散しているナノシートの形を捉えることに世界で初めて成功した。

 ナノシートは、厚さがナノメートルオーダーの非常に薄いシート状の粒⼦である。ナノシートは、その形状から、将来的には、太陽電池、タッチパネル、⽪膚に貼り付ける電⼦デバイス(電⼦⽪膚)の⾼機能化などにも繋がると考えられている。この応用のためには、ナノシート⾃⾝の形状に対する理解が重要だが、コロイド中に存在する “作りたての”ナノシートの形状については、これまでほとんどわかっていなかった。

 そこで、同研究グループは、光ピンセットと光学顕微鏡の技術を併⽤して、⽔中に分散したナノシートの正確な形を把握した。その結果、平らな形状のナノシートは少なく、多くのナノシートがこれまで想定されていなかった曲がった形状であることを確認した。加えて、平⾯構造や曲がった構造は液中では安定である、という知⾒も明らかになった。これらの発見により、液中でナノシートを集積させれば、複雑な構造体が自然に形成されること、また、曲がったナノシートのみを集積させれば、多孔構造を構築し、広い表⾯積を持つ材料を得ることもできることが推測された。

 ナノシートは、医療から電池まで広い分野の新素材への応⽤が期待されており、本成果は、多⽅⾯の研究に波及すると期待される。

論文情報:【Langmuir】Microscope Observation of Morphology of Colloidally Dispersed Niobate Nanosheets Combined withOptical Trapping

東京農工大学

農学、工学の視点から「持続発展可能な社会の実現」に向けた課題解決を目指す国立科学技術系大学。

東京農工大学は1949(昭和24)年に東京農林専門学校と東京繊維専門学校が統合して設立されました。しかし、その起源は明治7年(1874年)に設立された内務省農事修学場と蚕業試験掛にまでさかのぼります。現在では農学部と工学部からなる唯一の国立大学としてこれらの知[…]

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大学ジャーナルオンライン編集部

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