東京理科大学理工学部の大宮喜文教授は東京大学、横浜市消防局、VR(バーチャルリアリティ)製品開発の理経と連携し、消防隊員の教育訓練に特化したVR消防教育訓練システムを構築するため、実火災に近い条件を設定した燃焼実験でデータを収集した。

 東京理科大学によると、燃焼実験は東京理科大学火災科学研究所の実験施設で2月28日、3月6日の2日間、実火災に近い条件下で行い、温度や煙の濃度分布、火災の挙動などを調べた。取得したデータは教育訓練システムの中で時間経過とともに変化する火災現象を正確に再現するために利用する。

 全国の消防署では、ベテラン隊員が定年退職して経験の浅い若い隊員が急速に増えているが、火災件数が年6~8%減少し、若い消防隊員が現場で経験を積む機会が少なくなっている。

 VR消防教育訓練システムは現場経験の代わりになるもので、若手の消防隊員が限りなく現場に近い環境下で経験を積むことにより、現場でないと知ることが難しい知識や感覚の習得や消防活動の質向上を目指している。このシステムは横浜市消防局が採用し、若手隊員の教育に導入することを計画している。

参考:【東京理科大学】全国初 産学官による消防隊員の教育訓練に特化したVR共同研究開発 (東京理科大学・東京大学・株式会社 理経・横浜市が連携) ~消防隊員の教育訓練に特化したVR消防教育訓練シミュレーションシステム構築のための火災燃焼実験を実施~

東京大学

明治10年設立。日本で最も長い歴史を持ち、日本の知の最先端を担う大学

東京大学は東京開成学校と東京医学校が1877(明治10)年に統合されて設立されました。設立以来、日本を代表する大学、東西文化融合の学術の拠点として、世界の中で独自の形で教育、研究を発展させてきました。その結果、多岐にわたる分野で多くの人材を輩出し、多くの研究成[…]

東京理科大学

真の実力を養う実力主義。科学技術の創造による持続可能な世界の実現をめざして

東京理科大学は、1881年に「東京物理学講習所」として創立され、140年以上の歴史を経て、4キャンパス7学部33学科、7研究科30専攻を擁する、理工系総合大学に発展。「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学の精神と、真に実力を身につけた学生を卒業させ[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。