龍谷大学犯罪学研究センターは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって浮き彫りとなった個人と国家の関係や、ウィズ・コロナ時代における社会の在り方について、犯罪学の視点から考えるフォーラムをWEB上で立ち上げ、情報発信している。

 今回の新型コロナ禍で、多くの国では医療システムが崩壊、経済は疲弊し、社会に混乱が生じている。また、各国の政府が「ウイルスとの戦い」を標榜し、緊急事態を宣言。人びとの自由を制限した。これらは、個人と国家の関係や社会の在り方自体に大きな問いを投げかけている。日本では、科学的根拠のないフェイクニュースの拡散や、緊急事態宣言下でパチンコに興じる人びとに過敏に反応するモラル・パニックなどの社会問題が噴出している。

 龍谷大学犯罪学研究センターが立ち上げたサイト「新型コロナ現象について語る犯罪学者のフォーラム」では、「COVID-19現象をめぐるフェイクニュース」「パチンコに行く人をどう止めるか?」「新型コロナで自殺は増えるのか?」など新型コロナ禍で起きた、もしくは起き得るあらゆる事象を、犯罪学の伝統理論や統計の観点から説明している。

 最新のトピックは「新型コロナの抗体調査に関する緊急提言(2020/5/18公開・石塚伸一教授 寄稿)」。近く東京・大阪・宮城で行われる1万例を対象にした抗体検査について、犯罪学の視点から5つの提案を行った。対象者の選び方など、厚労省の研究デザインが明らかになっていない中で、大阪府が発表した調査・実施方法には問題があるのではないかと、社会を対象とする調査の計画と実施において、最低限守るべきルールに言及している。

 今後、同研究センターでは、ウィズ・コロナ時代の共生社会の実現に向けて、より学際的な知見の共有、さまざまな生活課題を抱える人びとへの支援者ネットワークの呼びかけなど、情報発信を推進していく。

※犯罪学は、あらゆる社会現象を研究の対象とし、科学の目で社会現象を観察・分析する学問

参考:【龍谷大学】新型コロナ現象について語る犯罪学者のフォーラム

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大学ジャーナルオンライン編集部

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