香川大学の小原英幹講師らは、新型コロナ感染防御のための消化器内視鏡と腹部超音波手技下の新型コロナウイルス伝播を最小限に抑える患者シールド法を開発した。消化器系がん診療の再開・維持への貢献が期待される。

 新型コロナパンデミック下では、不要不急の消化器系がん検診が延期されても、吐下血や肝胆道感染症に対する救命のための緊急治療は必要となる。収束期でも、無症状感染者を考慮し、がん診療の通常再開にも感染予防対策が必須。現状では、検診によるがんの早期発見の機会が失われており、また、消化器系手技下での患者から排出されるエアロゾル飛散を遮断して医療従事者を守る方法が未開発だ。

 飛散の抑制には対象のボックス化と陰圧化が重要。そこで、胃内視鏡と腹部超音波手技のために、患者の頭部から上半身を覆うビニールボックス型密閉シールドを作成。そのボックス内に挿入された持続吸引チューブにより内部が陰圧化され、エアロゾルの飛散を予防できる。同時に挿入された酸素吸入チューブにより患者呼吸を維持する。持続吸引チューブによるボックス内陰圧化は画期的手法という。

 また、大腸内視鏡に関して、おむつパンツと腹部超音波用のプローブカバーを用いた飛散シールド法を考案。ウイルスを含む便汁は液体吸収性の高いおむつで吸収し、肛門から出るエアロゾルは内視鏡を被覆したプローブカバーにより密封化される。

 今回、滞っている消化器系の診断・治療の安全実施に向け、安価で、どの施設でも可能な新型コロナ感染防御システムが開発された。医療従事者の感染予防や、がん診療の早期再開・維持により患者の健康を守ることへの大きな貢献が期待される。

参考:【香川大学】新型コロナ感染防御のための消化器内視鏡及び腹部超音波手技下の患者シールド法を開発~コロナ共存世界における消化器系がん診療の再開・維持に道~(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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