経団連は政府が提唱する未来社会ソサエティー5.0に向けた提言をまとめ、大学の9月入学について議論を深めることに期待感を示した。学事歴が国際的な整合性を持つことにより、日本の高等教育のレベル向上がグローバルな視点で図ることができるとしている。

 経団連によると、提言は「ソサエティー5.0に向けて求められる初等中等教育改革第一次提言」と題し、主に小中学校教育の改革に対し、経団連の見解を示しているが、9月入学と大学入試についても触れている。

 9月入学は新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休校が長期化するとともに、地方自治体や学校間の情報通信環境の格差を是正する必要があるとして、政府が導入を検討したが、見送った経緯がある。

 経団連は提言の中で1987年の臨時教育審議会答申、2000年の教育改革国民会議提案、2012年の内閣府グローバル人材育成推進会議など9月入学に関して議論が展開された過去の事例を紹介した。
そのうえで、現状で9月入学を導入するには、初等中等教育段階では学習の遅れを取り戻すための学年を超えた教育カリキュラムの再編、来年度入試への配慮が必要としたが、大学については国際的な学事歴と統一でき、高等教育のレベルアップが図れるとして、議論の深まりに期待した。

 大学入試では「読む」「聞く」「話す」「書く」という英語4技能の測定が必要と主張した。英語民間試験の導入では離島や地方の受験生が不利にならないよう配慮することを求めている。

参考:【日本経済団体連合会】Society 5.0に向けて求められる初等中等教育改革第一次提言(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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