麗澤大学の外国語学部に所属する花田ゼミ(花田太平准教授)は、学生と教職員が現代社会の“生きづらさ”を語り合う「読書キャンプ」を2021年3月10日(水)にオンラインで開催する。

 ジェンダーや障がいといった社会性の強いテーマを扱うフィクションを糸口に、学生と教職員が、普段できないような深い対話をする「読書キャンプ」。花田准教授の「専門ゼミナール」に所属する学生に加え、学生自ら指導教員を選び学習計画を立てるゼミナール制度により発足した「自主企画ゼミナール」の学生が主催し、同大学の障がいのある学生のサポート窓口であるCDS(Center for disabled Students)職員が共催する初めての試み。

 今回は、第164回芥川賞受賞で話題の『推し、燃ゆ(宇佐見りん著)』を読み、現代社会に蔓延する“生きづらさ”について語り合う。一人では言葉にすることが難しいモヤモヤした気持ちを仲間(ピア)との対話を通じて整理し、学生たちが自分のロールモデルを見出すことを期待している。

 指導教員の花田准教授は、『今回、コロナ禍で先輩のサポートを受けられないために、大学の一員としての実感がもてない新入生が多くいました。大学のキャンパスとは、「先輩」「後輩」という学生ピアサポートの連綿としたつながりを提供する場でもあることにあらためて気づかされました。そのつながりを絶やさないために、本キャンプのような形で、できることから始めていければと思います』と述べている。

 今後も花田ゼミでは、CDSと連携しながら、対話ファシリテータの育成・ピアサポーターの育成のために、対話を通じて学生の基礎学力を向上させ、学生、教職員が共に自由に意見交換できるプラットフォームづくりを目指す。また、同企画の姉妹編として、哲学対話のフレームワークを採用した「哲学キャンプ」の実施も検討している。

参考:【麗澤大学】コロナ禍で見えてきた「先輩」「後輩」関係の重要性  学生と教職員が現代社会の“生きづらさ”を語り合う

麗澤大学

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。