7月も中旬となり、各大学では夏のオープンキャンパスが目白押しだ。ところで最近のオープンキャンパスに大きな変化があることはご存知だろうか。保護者を対象としたプログラムの充実だ。

 全国から学生が集まる金沢工業大学は10年ほど前からオープンキャンパスで保護者向けの説明会を実施してきたが、今年春から新たに保護者のためのキャンパスツアーを始め、多くの保護者が参加し、好評だったという。

 同大学では7月16・17日に開催される夏のオープンキャンパスでも「保護者説明会」と「保護者のためのキャンパスツアー」を行う。

 県外出身者が74%を占める同大学において、4月からの独り暮らしを心配する保護者は多い。そのため「保護者のためのキャンパスツアー」では、大家さんが熱心に面倒をみている寮やアパートをはじめ、学生生活全般にかかわる施設を職員が案内している。

 例えばキャンパス内には、朝食セット(250円)や夕食セット(500円)など、1080円で3食が賄えるレストラン「ラテラ」から、診療所、不在郵便物の受け取りやゆうちょ銀行が利用できる簡易郵便局、帰省・就職活動の際に切符を手配するサービスセンター、学内のアルバイトを受け付ける学生ステーションなどがあり、学生たちの暮らしをバックアップしていることを説明。さらに資格取得をサポートする自己開発センター、就職活動を支援する進路開発センターといったキャリア形成を支える施設も見学することができる。

 学生の一人暮らしへの不安を解消する説明は、保護者説明会でも行われる。

 同大学ではクラス担任に相当する修学アドバイザーが年間を通じて新入生を丁寧に指導している。
年2回、全員に個別面談を実施するだけでなく、1年生は1年間、毎週にわたって行動履歴を記載する「修学ポートフォリオ」を修学アドバイザーに提出。修学アドバイザーはすべて目を通してアドバイスや励ましなどコメントをつけ、学生に毎週返却する。行動履歴にはその週の行動目標を3つあげて達成度を記載するほか、予習・復習・課題に日々、何時間費やしたのか、部活動や課外活動、アルバイトの内容や時間帯、朝・昼・夕の食事をとったかどうか、睡眠時間は毎日何時間だったか、運動を何時間したのか、1週間で特に努力した点、反省すべき点なども記載する。
最初は面倒がっていた学生達も、学期末にはほとんどの学生が「取り組んでよかった」と回答しているという。

 一人暮らしには自己管理や自律的な行動が求められる。同大学は「面倒見が良い大学」として11年連続で全国1位の大学として知られているが、こうしたことにもその一端が伺えそうだ。

参考:【金沢工業大学】夏のオープンキャンパス

大学ジャーナルオンライン編集部

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