東海大学研究推進部では、2016年度第2回研究推進セミナー「画像不正と疑われないための画像処理」を2016年7月1日に湘南キャンパスで、28日に伊勢原キャンパスで実施した。

 研究推進セミナーは、教職員や学生の日々の業務や研究活動に活用できる情報を提供するための催しで、今回はエルピクセル株式会社の湖城恵氏とアドビシステム株式会社のスタッフが講演を行い、両会場併せて約130名が参加した。

 湖城氏は、「Nature Science」に掲載されている論文の90%に画像が使われていることを例にあげ、研究者にとって画像処理がルーチンの仕事の一つになっていることを説明。しかし、その一方で、「利用者の約3割が画像処理の方法に不安を持っている」といい、実際の画像を例にあげながら、不正を疑われないための適切な方法を解説した。

 画像を処理する際には、使用目的によって施すべき処理が異なり、また、元画像と施した処理内容を記録する必要があることも指摘。文部科学省のガイドラインに則り、画像をゆがませたり、黒つぶれや白飛びを発生させる処理、2つ以上の画像を使用する場合に片方だけ処理を施すなど、行ってはいけない事例を紹介した。

 参加者は、「画像処理といってもさまざまな種類があること、処理を施した方が研究成果をより効果的に伝えられることなどをあらためて意識する機会になりました。その一方で、不正には十分に気をつける必要があり、ソフトの使い方を具体的に勉強できてよかったと感じています」と話した。

東海大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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